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現代建築家コンセプト・シリーズ26<br>仲俊治|2つの循環

現代建築家コンセプト・シリーズ

現代建築家コンセプト・シリーズ26
仲俊治|2つの循環

本体価格 1,800円
体裁 A5判・並製・160頁
Japanese/English
ISBN
978-4-86480-042-6

2019年07月発行

若手建築家の建築思想から建築の方途を探る「現代建築家コンセプト・シリーズ」No.26は、第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展「en[縁]:アート・オブ・ネクサス」(2016)出展なども記憶に新しい、仲俊治(仲建築設計スタジオ)による1冊です。これまでに手がけてきた数々の住宅、山荘、アパート、集合住宅、福祉施設などの設計には、どのような建築思想が貫かれているのでしょうか。
本書では、「職住混合」「中間領域」「流れのなかの場」「動的なプログラム」などの具体的なコンセプトを、〈Socialな循環(=小さな経済とともにある循環)〉と〈Ecologicalな循環(=自然エネルギーや自然資源の循環)〉という2つの系のもとに整理し、それらを融合していく大きな思想が示されます。仲は次のように語ります。「生業のあり方は、住宅ひいては都市のデザインにとって決定的に重要だ」、「自然のなかで自分が生かされているような感覚が持てることが重要だ」。そして2つの循環を融合し、人を地域─都市のなか、地球の上に定位するために建築家ができることについて、さまざまに考えをめぐらせます。
加えて仲が「サブ・チャンネル」と呼ぶ断片的なテキストでは、個々のコンセプトをより確かなものにする参照項や社会的事実、設計における気づきや試行錯誤が語られ、メインのストーリーや豊富な写真・図版とともに、仲の尽きない挑戦の数々と、それを支える緻密な思考をいきいきと伝えるでしょう。


■目次

1 小さな経済──Socialな循環
1-1 職住混合の住宅──《写真家のスタジオ付き住宅》
1-2 Socialな循環としての〈小さな経済〉
1-3 中間領域への気づき──《食堂付きアパート》
1-4 内発的な営みの場──《小商いの実験室》
1-5 顔の見える、外部との交流空間としての中間領域──Socialな循環の可視化

2 自然とともに居ること──Ecologicalな循環
2-1 屋根付き外部・地続きの床──《白馬の山荘》
2-2 建築の群れとしての風景──《上総喜望の郷おむかいさん》
2-3 流れのなかに場をつくる──《深沢の住宅》
2-4 温熱環境的な中間領域──Ecologicalな循環の可視化

3 2つの循環・融合の意図
3-1 ヴェネチア・ビエンナーレでの違和感
3-2 従来のコミュニティ論への違和感
3-3 融合の可能性を感じたきっかけ

4 建築を2つの循環のなかに位置づける
4-1 2つの循環を重ねる──《五本木の集合住宅》
4-2 動的なプログラム論──閾論のアップデート


■著者略歴

仲俊治(なか・としはる)
建築家。仲建築設計スタジオ主宰。1976年、京都府生まれ。2001年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。山本理顕設計工場勤務を経て、2009年に建築設計モノブモンを設立、2012年に仲建築設計スタジオに改組。2009~11年、横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手。2018年より法政大学江戸東京研究センター客員研究員。
主な著書に『地域社会圏主義』(山本理顕ほかとの共著、LIXIL出版、2012)、『脱住宅──「小さな経済圏」を設計する』(山本理顕との共著、平凡社、2018)。主な受賞に、第31回吉岡賞(食堂付きアパート)、日本建築学会新人賞(食堂付きアパート)、第16回JIA環境建築賞優秀賞(白馬の山荘)、住まいの環境デザイン・アワード2019グランプリ(五本木の集合住宅)、第1回小嶋一浩賞(宇野悠里と共同)ほか。

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