染付古便器について

江戸時代後期、江戸の町では藍染めの着物と瀬戸産(愛知県)などの染付(呉須による絵付け)の食器が庶民に広く普及しました。「青と白」の取り合わせは粋でお洒落だという感覚が広がり、人びとにとってあこがれの対象となり、涼しさとみずみずしさの象徴となりました。

そのブームは明治時代に入ってからも続き、この頃に誕生した陶磁器製の便器にも「青と白」の装飾が施されるようになります。人目をはばかる空間だった便所を「青と白」で華やかに飾り、視覚的にも精神的にも清らかな空間としてしつらえようとした粋な人々からもてはやされ、染付便器は一世を風靡。芸術作品と呼べるほど華麗で装飾性豊かな逸品がつくられ、なかには銘が染付で入れられた特注のブランド便器までつくられました。

日本人の粋で典雅な美意識がこめられた、染付古便器をお楽しみください。

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