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STORY 3

職人技が織りなすテキスタイルの世界

図案の詳細・織表現を豊かにするために、織り糸は染技術者により多様な色、濃淡に染められる 図案の詳細・織表現を豊かにするために、織り糸は染技術者により多様な色、濃淡に染められる
図案の詳細・織表現を豊かにするために、織り糸は染技術者により多様な色、濃淡に染められる(© Bishin Jumonji)
  • 川島織物セルコンの歴史は天保14(1843)年、初代川島甚兵衞(かわしまじんべえ)の呉服悉皆(ごふくしっかい)業「上田屋」開業を機に始まります。幼少より父、初代川島甚兵衞に従い、日本各地の織物に関する調査を行っていた二代川島甚兵衞は、家業を受け継いだあと、明治19(1886)年にヨーロッパに渡航。フランスのゴブラン織り工場や欧州各地の宮殿などを精力的に訪問し、西欧の室内装飾の知識と技術を習得しました。従来、日本には織物を室内装飾に用いる伝統はありませんでしたが、欧州視察で日本の伝統織物が西洋式の室内装飾に適していると考えた二代川島甚兵衞は、日本美術の特色を生かした西陣織の純日本式室内装飾を提案しはじめました。その後日本における室内装飾のパイオニアとして、明治宮殿の室内装飾を手がけることになります。また、オランダの平和宮殿に日本政府が寄贈した豪華な絹製綴織(きぬせいつづれおり)「晩春初夏百花百鳥」の壁面装飾9面を制作しました。圧倒的な存在感の壁面織物が施された平和宮殿の大会議室は「日本の間」と名づけられ、その壁面装飾は100年以上経った今日でも目にすることができます。

  • 川島織物は、複雑な模様を手作業で織る綴織を用いた舞台緞帳(どんちょう)を、昭和26(1951)年に日本ではじめて製作しました。以降、幅広くさまざまな緞帳を手がけ、独自のデザイン、織設計、染色、製織まで一貫生産体制を駆使し、国内外の数多くの舞台を飾っています。川島の職人技はまた、奈良の正倉院に保存されているおよそ1300年前の正倉院裂(しょうそういんぎれ)を復元模造する10年プロジェクトなど、高度な専門性と技術力が求められる案件にも活かされました。世界有数の高級織物生産者となった今日、川島織物セルコンは、変わらずものづくりの心を大事にし、伝統的な帯、大型舞台緞帳をつくり続けるとともに、住まい、ホテル、公共施設、オートクチュールなどのモダンな内装装飾も手がけています。

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職人技が織りなす
テキスタイルの世界

図案の詳細・織表現を豊かにするために、織り糸は染技術者により多様な色、濃淡に染められる
図案の詳細・織表現を豊かにするために、織り糸は染技術者により多様な色、濃淡に染められる(© Bishin Jumonji)
  • 川島織物は、複雑な模様を手作業で織る綴織を用いた舞台緞帳(どんちょう)を、昭和26(1951)年に日本ではじめて製作しました。以降、幅広くさまざまな緞帳を手がけ、独自のデザイン、織設計、染色、製織まで一貫生産体制を駆使し、国内外の数多くの舞台を飾っています。川島の職人技はまた、奈良の正倉院に保存されているおよそ1300年前の正倉院裂(しょうそういんぎれ)を復元模造する10年プロジェクトなど、高度な専門性と技術力が求められる案件にも活かされました。世界有数の高級織物生産者となった今日、川島織物セルコンは、変わらずものづくりの心を大事にし、伝統的な帯、大型舞台緞帳をつくり続けるとともに、住まい、ホテル、公共施設、オートクチュールなどのモダンな内装装飾も手がけています。

大正7(1918)年に国内で初めて50インチ(1.27メートル)巾力織機10機を導入し、室内装飾織物の大量生産を開始(© Textile Museum)
大正10(1921)年に導入された綴織大機(織巾7.27メートル、6.66メートル)2機による、綴織壁掛の製織風景(© Textile Museum)
川島織物セルコンの美しい花蓮唐草文綴帯
(© Bishin Jumonji)
(left © Kawashima Selkon Textiles Co., Ltd. / right © Bishin Jumonji)
(left © Kawashima Selkon Textiles Co., Ltd. / right © Bishin Jumonji)

独自の美しいデザインと確かな品質が特長の「川島帯」は、多くの着物愛好家から好評を得ています。職人が金糸を含むさまざまな色の糸をていねいに織り込むことでデザイン表現をし、なかには熟練した職人でも1日に数センチしか織れないような非常に細かいものもあります。

東京の歌舞伎座に掲飾されている幅28メートルの舞台緞帳「夕顔図」。安土桃山時代の「夕顔と瓢ひょう箪たん図屏風」の原画を元にしています。大型の舞台緞帳は巨大な臥ふせばた機に10名ほどの織職人が並んで織り上げていくため、全体の調子が乱れることがないよう職人間の協力・連携が重要な作業です。[東京・歌舞伎座](Courtesy of Kabuki-Za Co., Ltd.)
  • Story3 Herovisual: © Bishin Jumonji