世界のタイル博物館

装飾する魂(1階 常設展示室)

世界のタイルの歴史、それは装飾する魂(たましい)の記録。
5500年前から現代まで、そして未来へ。

メソポタミア

装飾壁の原点
クレイペグによる壁空間(BC3500年頃、メソポタミア地域ウルク)

建物の土の壁をより美しく装飾しようとして当時の人々が考えたのが、クレイペグと呼ばれる円錐状のやきものです。ここでは、約5万本あまりものクレイペグを当時と同じように手づくりし、モザイク模様を土壁に再現しました。5500年前のウルクの人々は、推定200万本以上のクレイペグで壮大なデザインを施したのです。

エジプト

世界最古のタイル
魂のための扉(BC2650年頃、エジプト)

この扉は、世界最古のピラミッド、ジェセル王の「階段ピラミッド」の地下空間にあります。この扉を通って王の魂が現世に現れると考えられていました。ブルーの色は生命の色であり、王の再生や復活を願ってブルーのタイルが張られたのではないかと言われています。最古のタイルは、4600年以上経た今も輝いています。

イスラーム

装飾の宇宙
イスラームのタイル張りドーム天井

イスラームのモスクや宮殿を飾るタイルパターンは、一見複雑に見えても実はコンパスと定規だけを使って描かれる幾何学形が繰り返されています。10種類のモザイクタイル形状だけを用いて、幾何学の天才たちが生み出したタイルパターンをここに再現してみました。

オランダ

住まいに登場したタイル
ブルー&ホワイトのタイル(17~18世紀、オランダ)

イスラームの世界ではタイルは、信仰と深く結びついていましたが、世界的な貿易で富を得たオランダの市民層は、住まいにつつましやかにタイルを取り込みました。異国情緒豊かな中国の染付磁器を参考に白地にコバルトブルーで花や風景などの身近なものを描いたタイル(ブルー&ホワイト)が主流です。

イギリス

Food Hall, Harrods London
膨張する装飾
ヴィクトリアン・タイル(1830~1903年、イギリス)

産業革命によって中産階級が富を得て、タイルを豊かに使い始めます。タイルは当時の美術の流れである「アール・ヌーボー」様式を取り入れた彩り豊かな図柄で、公共の建物から市民の住宅まで広くつかわれるようになりました。「室内を美しく装飾する」人間の欲求はこの時代から広がり、現在に至っています。

日本

洗練される装飾
現代日本の試み

「壁を装飾する」人間の欲求はとどまるところを知りません。時代が変わっても、表現は変わっても、装飾は人の暮らしに欠かせません。小さな形の集合体であるタイルは、これからも人とともに存在しつづけ、その可能性を広げていきます。

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